読書感想文


旭日旗、征く! 4
安芸一穂
学習研究社 歴史群像新書
1997年9月5日第1刷
定価760円

 第二次世界大戦にアメリカが参戦せず、日英同盟がナチスドイツを破り、アジア諸国と”大連合”を組んでいるが、不況に襲われたアメリカがフランスなどとNATOを結成し、大連合と戦うという架空戦記。
 連合を組んで戦う際、兵器などの規格を統一しておいたほうが混成部隊としては有利だ。しかし、本書のNATO軍は米仏のプライドがぶつかりうまくいっていない、という設定。
 いくつかの登場人物群が各章の主人公として活躍する構成は、慣れるとけっこう面白い。主人公を絞ってくれると読みやすいのは確かだが、どうしても架空戦記の場合、小説世界を「面」として描かないとわかりにくくなるので、主人公を絞ると世界全体のシミュレーションをしにくくなる。だから、こういう構成にしているといえる。
 方言を多用しているが、これ、本当に正確なのかなァ。大阪弁はなんか古典落語の登場人物が会話しているみたい。ま、このテの方言によくあるでたらめな言葉遣いに比べると、ましだとは思うけど。

(1997年10月17日読了)


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