大高大統領が誕生、日本武尊が海中戦艦に改装、第三次世界大戦が勃発。わっ、これだけしか進展してない!あとは政治論の講義が延々と続く。前世と後世の違いを比べて後世を賛美するだけでなく、現代社会と後世を比べて後世を賛美するに至っては、作者自身が作品世界に酔っているとしかいいようがない。
ところで、日本武尊の海中戦艦化は大石長官の頭に最初からあったという記述があるが、そんなこと、これまでどこに書いてあった? 伏線もなしにいきなりとってつけたようにそんなことを書くか。泥縄はよしてほしいなあ。
ところで、姉妹編の「紺碧の艦隊」は徳間から切られた(?)らしく、版元が変わるようだ。どこか引き取ってくれるところが見つかったらしい。私は「紺碧」打ち切りのために日本武尊を潜水艦にしたのかと思ったよ。
(1997年10月19日読了)