「人買奇談」に続く第2弾。前作が平安時代から続く恋の恨みをテーマにしていたのに対し、今回は女子高の影の薄い教師と影の薄い生徒との恋愛がテーマ。
スケールダウンとはいいたくないが、日常に近すぎ神秘性が薄れてしまった。
また、自殺した生徒とその原因になった教師についての描写があまりなく、ポルターガイストの解明の際に、なにかこう、胸に迫ってくる凄味とでもいうべきものがないのだ。ここでは主人公の追儺師たちは狂言回しであるべきなのだ。ストーリーの中心となるべきは、やはり教師と生徒の恋愛なのだ。そこらへんの重心の置き方を間違えているように感じる。
主人公たちをストーリーの中心にすえるのならば、事件も主人公たちの因縁にからむものでなくてはなるまい。
(1997年10月27日読了)