「本能寺の変」で信長の長男、信忠がもし死なずに父の遺志を継いでいたら、というこの大河長編も8冊目。
信忠の前に伊達政宗が有力なライバルとして成長してきた。本書では、伊達と佐竹の戦いを中心に、徳川家康の力が少しずつそがれていく様子が描かれている。
ところで、物語が進むにつれ、信忠は信長を描くような展開になっていっている。つまり、この作品は、信忠が生きのびていたらという架空戦記ではなく、信長が信忠として生まれ変わり若返って戦い続けたらという、転生の物語なのではないだろうか。
(1997年10月29日読了)