戦艦空母というとんでもない発想にだいたい無理があるのだが、その発想を十二分に生かしているのなら問題ない。ところが、作者はここでも結局三式弾と酸素魚雷、零戦の爆撃・雷撃といういつものパターンで日本を勝利に導くのであった。せっかく大和を戦艦空母にしたのだから、もっと大和を中心に描くべきではないのだろうか。
それと、いつもこの作者は「中国人と猿が野合して生まれたのが日本人」とF・D・ルーズベルトに言わせているが、ルーズベルトはそんなことを本気で言っていたという史実があるのだろうか。出典を明らかにしてほしいところだ。実はこの部分、いつも読む度に不快になるもので。
(1997年11月4日読了)