かねてから最近の「ゴーマニズム宣言」が硬直化してつまらなくなり、小林よしのりが、最初のころ、素朴な社会への疑問を自分の言葉で語っていたのに比べ、今は藤岡信勝らと同じ言葉でしか語れなくなっているのを残念に思っていた。その気持ちを代弁するような本がとうとう登場したな、という感じか。
「ゴー宣」の問題部分を引用し、何を論点とすべきかわかりやすく示している。特に「従軍慰安婦」の問題については説得力があった。
ただし、本書の提起する問題点を小林よしのりが素直に受け止められるかどうか。硬直化しているだけに、難しいだろうと思う。
(1997年11月17日読了)