シリーズ完結編。とはいえ、9巻とこの10巻は外伝の短編集なので、事実上物語としては完結していたのだが。本伝7冊、外伝3冊という構成になる。
アイドルグループ「ワンダー」(ジャニーズ系がモデルか)の裏の姿は実は忍者だった!というどちらかというと子どもだましみたいなアイデアからよくもまあこれだけ骨太で奥行きのある物語を引き出してきたものだ。そういう意味では作者のエンターティンメント作家としての技量はなみなみならぬものがあるといえよう。
秋月こおの他の作品はいわゆる「耽美小説」とか「やおい小説」といわれるものが多く本書でも2組ほど男どうし惹かれあうカップルが登場する。私はそちらの方面には弱いので読んだことがなかったのだが、それ以外の作品でもこれだけ面白いものを書いているのだから、またこういったアクション小説に挑戦してほしいものだ。
これを機会にぜひ読んでほしいシリーズである。
ところでこの「ワンダーBOY」シリーズは私は「S−Fマガジン」誌上で何度か取り上げているのだが、星敬さん作成のSFリストからは毎年抜けている。なにか理由でもあるのだろうか。
(1997年12月1日読了)