まず上巻を読んでの感想。
ヘッドハンティングで「ブレインテック」という研究機関に転職した主人公、孝岡。彼はそこで出会った謎の巫女さんみたいな女性の力に触発され、体に変調を感じる。催眠療法の結果、彼は異星人と思われる人間たちの手によってくまなく検査されている記憶を蘇らされる。
なんじゃいな、オカルト小説かいなと思いきや、さにあらず。臨死体験、脳内革命、未知との遭遇など、トンデモさんの大好きな現象がどんどこ科学的に論破されていくのは気持ちいいぞ。とにかく難しい解説などが多く、しんどいなあと思いながらその山を越えると、それらの解説が有機的にストーリーに組み込まれ、一気にストーリーが動いていく。力技とでもいうのだろうか。物語に引き込まれていくのがわかる。
下巻では上巻で示された脳や心や神の謎が解かれていくことになるのだろうが、どのように展開していくのか、予測がつきにくい。よーし、さっそく続きを読もうではないか。
(1997年12月15日読了)