史実では雪で動けず、前田利家が中立したこともあって羽柴秀吉に敗れた猛将、柴田勝家。本書では雪中行軍を果たし秀吉方の砦を奇襲、賎ヶ岳の合戦にも勝ち秀吉の勢力を近江から一掃する。
うーむ。実は一掃したところで本書は終わっているのだ。どうやら売れ行き次第で続編が出るかどうか決まるような感じなのだなあ、この本。中途半端なところで話が終わっている上に、続きがあるかどうかも書いていない。もしこの一冊だけで終わるとしたら「こうやったら柴田勝家は賎ヶ岳で勝てたのにねえ」というだけで後はなんにもなしということになってしまい、わざわざ歴史を変えた意味も何もない。だから、評価の下しようがない。
「架空戦記」についても出版社は手探りになってきているということか。それともPHP研究所に蓄積がないというだけのことなのか。
(1997年12月30日読了)