シリーズ完結篇。
主人公は使役鬼を操る陰陽師の血をひく高校生。幼い頃に両親を亡くし、寺の養子となり修業をしながら育つ。
この話、主人公が特にすごい能力を発揮して敵をばったばったと倒すわけではない。戦った相手がその過程で味方になったりする。主人公は両親のことを知りたいだけなのだ。
主人公が今どき珍しいほど純情な高校生で、悩み、惑い、恋を知り、という青春小説なのである。伝奇アクションの設定で、まっとうな青春小説を書いてしまったという、異色の作品なのだ。結末も、敵を倒しておしまいというのでは、もちろんない。続編があるとしたら、いきなり大人になった主人公か登場するのではないかと思わせる。
こういうタイプの伝奇アクションというのはあまり読んだことがないので、私は大いにとまどってしまった。
(1997年12月30日読了)