読書感想文


大平洋の嵐 1
田中崇博著
学習研究社 歴史群像新書
1997年11月7日第1刷
定価760円

 新人のデビュー作。航空主兵論者がイニシアティブをとり空母同士の戦いが大平洋を舞台に繰り広げられる、という話。
 日米ともに架空の航空主兵論者が登場。二人とも切れ者で、この二人の運命的な戦いを軸に話は進んでいくものと思われる。そういう意味では小説らしい小説を書こうとしているといっていい。その点は評価したい。
 しかし、今さら航空主兵論者が太平洋戦争を変えるというようなアイデアの話を新人が書いても、という気がする。これまでにそのような架空戦記はかなり出ているし、すぐれた作品も多い。新人ならば、これまでにない発想のフレッシュな作品でデビューしてほしかった。

(1998年1月8日読了)


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