読書感想文


魔術戦士 1 蛇神召喚
朝松健著
小学館 スーパークエスト文庫
1997年11月1日第1刷
定価562円

 作者幻の処女長篇が文庫で復活!!
 西洋魔術を日本に本格的に紹介した作者ならではの豊富な知識を惜しげもなく投入し、なおかつエンターティンメントとして第一級の出来を誇っている。
 国際的な黒魔術結社S∵O∵R∵M∵に対し、特殊戦闘部隊S∴W∴O∴R∴D∴の魔術戦士(マジカル・ウォーリアー)志門が戦う。敵は、秘法を用いて大物主命を召喚、西洋黒魔術と古代日本の荒ぶる神を使った敵の力に志門はどう戦うのか。
 特筆すべきは、これらの邪神などに関する知識がただ羅列されているのではないということ。迫力のあるアクション、無駄のない人物設定、有機的に流れるストーリーと、面白い小説の必要十分条件をちゃんと満たしているということである。
 あとがきは、作者による「西洋魔術紹介私史」となっており、これだけでも貴重な読み物となっている。
 ホラーファンだけでなく、多くの人に読んでほしいシリーズである。早く全巻揃わないかな。

(1998年1月18日読了)


目次に戻る

ホームページに戻る