読書感想文


匣の中の童子
デーモン・キラー
尾崎朱鷺緒著
講談社X文庫 ホワイトハート
1997年12月5日第1刷
定価570円

 シリーズ第3弾。
 主人公は除霊の力を持つ高校生。これまで謎であった彼の過去が少しずつ明らかにされていく巻。死霊にとりつかれた男にまつわる事件に関わる事により彼のトラウマが表に出てくる。この死霊はふつうなら生者に対する怨念となるところだろうが、そうではなくて自殺した男が好きだった男に対して未練を残していてとり憑く。とり憑かれた男にはまったくその気がなかったのが悲劇のもと。とんだ迷惑だ。
 このシリーズは登場人物やストーリー全体を常に暗い影が覆っていて、トーンが重い。快活な人物が登場しても重苦しさを払えないのは読んでて辛いなあ。それがシリーズの魅力であるという見方もできるんだけど。

(1998年1月27日読了)


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