青春オカルトコメディーだそうだ。
確かに、金満家の息子と市井の貧乏発明家の息子が親友コンビで、町にやってきた霊を払う男が歪んだ性格で簡単なことをややこしくしてしまう名人で…とキャラクターはデフォルメされていていかにもコメディー。そこへ、好きな女の子に思いを告白できない純情ないかにものエピソードがはさまってですね、額面通り青春してるしオカルトしてるしコメディーしてますよ。
でもね、ここまで類型的だと、これはもう子どもだましとしかいいようがない。構成や展開に、特段工夫したようにも思えない。笑いを誘うキャラクター設定をしてから、後はそのキャラクターが勝手に動くままに書いていったという印象を最後までぬぐい去ることができなかった。
(1998年2月3日読了)