前巻で第一次世界大戦に欧州で日本が参戦するという歴史改変が行われ、その結果、日英同盟は維持された。しかも満州は自由経済地域として独立、1930年代になると日本は蒋介石率いる中華民国とドイツ義勇軍を相手に戦闘にはいる。
本巻では海軍の航空隊が新しい戦闘機を開発する、その苦労する様子を軸にして物語が進行する。工業化の遅れている日本軍はどのようにドイツ軍のすぐれた兵器に立ち向かうのか。細部の描写を積み重ね、地味ながらも迫真の戦闘シーンを展開。なかなか読みごたえはある。
それだけに、この作者の課題(と私が勝手に思っている)である歴史を改変することによって読者にどのよう課題を突き付けるか、が本書でも問題になってくると思う。そこさえ深く掘り下げることができれば、この作家はぐっとのびると思うのだけれどね。
(1998年2月11日読了)