読書感想文


鬼仮面
菊地秀行著
祥伝社 ノン・ノベル
1998年1月20日第1刷
定価781円

 新シリーズ。
 「ブルー・マスク」に続く仮面もの。仮面をかぶることにより、その仮面の力を手に入れ、超人的な能力を得るというところや、復讐の年がこもった仮面の力の強さなど、共通点が多い。
 新しい部分といえば、復讐の面をかぶる主人公・葛城が、かつて殺された恋人の発する「人を恨まないで」という思念の前に心を揺るがせ、仮面の力が完全に発揮できず、葛城と仮面の間に葛藤が起こるという点である。また、登場する人物があっけらかんとしてものを考えてないようなところがこれまでの菊地作品とは多少毛色の違う雰囲気をかもし出しているといえるだろう。
 はたして、「ブルーマスク」を超えるものになるのか、二番煎じで終わるのか、続刊次第ですね、これは。

(1998年2月12日読了)


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