シリーズ第3弾にして、完結編。
前巻は大坂夏の陣で敗れた豊臣秀頼を薩摩に逃した真田十勇士。本巻ではその残党が徳川幕府の権力争いにつけこみ、豊臣家の再興を目論む。敵は老中、本多正純。本多家の傘下にある忍びたちとの厳しい戦いの末、からくり城である本多氏の居城で決戦となる。
新世代の忍者ものとして娯楽に徹したこのシリーズだが、本巻はやや書き急いだ感がある。伏線も張らずにいきなりくの一忍群が登場したり、最後のからくり城の戦いの書き込みが幾分不足しているように感じられ、いささか不満が残った。
(1998年2月14日読了)