読書感想文


白虎、暗躍
時代の巫女 3
麻城ゆう著
角川書店 スニーカー文庫
1998年2月1日第1刷
定価480円

 舞台は21世紀の東京。主都移転のため、完全に若者の町となり、コスプレの流行で町中にコスプレ専門店がありコスプレ・パーティーも盛んに開かれている。とある私立高校で、学生たちが突如獣人に変化し暴れる事件が相次ぐ。中には自分の意志で獣化し、これらの事件の謎を解く少年たちがいた。主人公である彼らは子どもたちを獣化させる力を持った巫女と戦うのだ。
 キャラクター重視の小説ではあるが、主人公たちの個性の書き分けや謎解きの鍵の散らし方など、手馴れた筆致で安心して読ませる。評価は完結編が出ないと下せないが、いかにまとめるのか、腕の見せ所だろう。
 ところでこのシリーズはこれだけでもまとまった作品になっているのだが、「反風水師」シリーズ(C NOVELSファンタジア)の後日談でもあるので、興味のある方はそちらも読むとよりこのシリーズを楽しむことができるだろう。

(1998年2月15日読了)


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