超弩級空母として大和は進水。帝国海軍は航空機の威力を隠してアメリカと戦線を開く。アメリカが大鑑巨砲主義のまま戦闘を始めると、日本は一転して航空機主体で戦い、米軍をたたく。とはいえアメリカも大国だ。航空機による反撃を始めるのにそう時間はかからない。
主人公の宗像、沖田といった人物たちが少しずつ戦争の影響を受けて冷酷な人間に変化していってしまう、その人物描写はなかなかのもの。また、国際謀略によって日本を優位にもっていく”裏”戦争の展開も興味深い。私が注目しているシリーズの一つである。
ここまでで既にソ連が謀略によって崩壊、ナチスドイツの配下になるなどかなり大きな改変が加えられているが、本巻からは日本一世一代の大博打であるEOP(End
of
Project)が始まる(この名称、なんとなく意味が通らないような気がするが、英語は苦手なのでよくわからん)。この作戦の全貌はまだ見えてこないが、果たして如何なる展開になるか、次巻以降も楽しみである。
(1998年3月20日読了)