ミッドウェイで死んだはずの航空艦隊が実は生きていて「幽霊艦隊」として活躍。ガダルカナル島への米国補給艦隊を叩き、待機していたハルゼイの艦隊をおびき出す。「大和」「武蔵」も出撃し、日本軍は見事にガ島を奪回する……。
今ごろこういう話を書かれても困惑するのみ。架空戦記はもう次の段階に入ってきているのだ。新たにこのような物語を書くことにどれだけの意味があるのか、疑問である。
作者は文中でやたらと擬音効果を使っている。ズドドーン、ドッカーンって、感じだ。略歴を読むと作者は「小川保雄」名義でマンガを描いているそうだ。マンガの擬音は字でかいてあっても読み手はそれを音としてとらえているのだ。小説ではそれはやはり文字としてとらえられる。そこらへん、よくわかっていないようですね。
(1998年4月5日読了)