世界制覇を狙う悪党フランクリン・ルーズベルト大統領は、悪辣な手を使って日本を戦争に引きずり込もうとする。そこで、真珠湾攻撃の前哨戦として大平洋艦隊と連合艦隊がミッドウェイで戦うことになる。
作者はそれだけでは面白くないと考えたか、そこで戦う一兵士の個人的な物語を重ね合わせる。これか見事に別々の話で時系列を同じくしているというだけで全くからみ合わない。1冊の本に2つのストーリーが順番交代で出てくるという感じだ。全然効果があがっていない。
そのうえ、アメリカの悪い奴は徹底的に悪く、寝ても覚めても日本をいかにして罠にはめようかということしか考えていないような人間に書かれている。国威発揚のために書かれた小説かと疑うくらいだ。
参考資料に霧島那智の小説をあげているのにはびっくりした。いったいどのへんを参考にしたのかな。架空戦記を書くのに架空戦記を参考資料にするというのはどうかと思うが。
(1998年5月10日読了)