読書感想文


トンデモ ノストラダムス本の世界
山本弘著
洋泉社
1998年7月14日第1刷
定価1400円

 シリーズ第4弾。
 あと1年で「1999年7の月」なので、これまで出たノストラダムス予言の解釈本を90%とりあげ、その解釈のはずれぐあいを笑い飛ばす一冊。
 ノストラダムス本というのは面白いといえば面白いんだけれど、全て読んでいくとなるとこれはやはり好きでないとできないと思う。退屈な本だってかなりあるはずだし。
 で、本書の結論というと、予言の解釈というのは本人の願望がモロに出るということ。むろん、それは読まなくってもうすうす感づいてはいることなんだけれど、こうやってはっきりと一冊ずつ論評して実証するとなると、なかなか大変なことだ。
 実は、私は最近の「と学会」本には最初のインパクトがないだけでなく、笑い飛ばすことよりあら探しをすることの方が多いように感じて正直飽きてきていたのだ。本書もその傾向はなきにしも非ずだが、山本弘の文章と切り取り方のうまさで救われている。「トンデモ」シリーズは山本弘あってこそだということを再確認した次第。

(1998年7月5日読了)


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