20年前に出た本を今から読むというのにはちゃんと理由があるのだが、それは「S−Fマガジン」1998年10月号の書評欄を読んでもらえばわかる。
実は続編の方を先に読んでしまっていたのであった。なぜそんな変なことをしたかというと、「S−Fマガジン」1998年10月号の書評欄を読んでもらえばわかる。
そんな泥縄式の読み方で書評ができるのかといわれると困るのだが、実はあまり困らなかった。それはなぜかというと「S−Fマガジン」1998年10月号の……、もういいって。
で、続編は正編の20年ほど後の話なので、後から正編を読むと、歴史書をひもといているみたいで面白かった。こういう読み方もたまにはいいかもしれない。どうせリアルタイムで読んでいるわけではないから、順序を逆に読むこともできるのだ。
言い訳はこれくらいにしておいて。
異星人とのファーストコンタクトの話であるのだが、モート人と呼ばれる異星人を人類の生活エリアに入れるのに際して楽観派と警戒派の対立がある。異星人がその様子を観察して不思議がるところなど、文化人類学的な要素もあって面白い。これはモート人の設定をニーヴンらしくユニークにそしてしっかりと作り上げているからこそなのだろう。
そのシーンにくるまでが少々退屈か。盛り上げようとしているのだが、二人の作家が「これだけは書いておかねば」と残した部分の説明が回りくどいために、盛り上がりそうで盛り上がらない。下巻に期待を持たせるためにそうしてる、というわけでもなさそうだ。
しかし、今頃この本を読まねばならなくなるとは思いもよらなかった。
(1998年8月2日読了)