作者には珍しいライトノヴェル風のコミカルなタッチ。
女流ミステリ作家が同業者である友人の結婚式に呼ばれて山荘でのパーティーに参加する。ところが、そこに集まった作家や編集者たちが次々に殺されていき……。
本書がユニークなのは、これが猫の一人称で書かれているということ。結婚式に呼ばれた作家の飼い猫が語り手なのである。猫でしかわからないような解決への鍵が登場したりするが、それは当然人間にはわからないわけで、なかなか一筋縄ではいかないのだ。
これは、私には確信犯ではないかと思われるのだが、作者の「三毛猫ホームズ」への、新本格への、批評家たちへの挑戦状みたいな作品であると読めるのである。
隠しテーマがなんであれ、肩のこらない読みやすさで、いやまったく間口の広い作家であることよと感心しているのである。
(1998年8月19日読了)