東京の夜をさまよう藍は自分が望むと望まざるとにかかわらず、事件のあるところに引き寄せられる。左目の銀色の瞳が光る時、悪霊も力を失い、事件は解決していく。
殺人鬼、援助交際の少女たちを狙う猟奇犯、ゲイの少年、ドラッグ、などなど現代社会のよどみから生まれる事件にオカルト的な味つけをしてハードボイルド風に描いた作品集である。
スタイルがまだ確立されていない分、中途半端な印象は否めないが、藍のキャラクターの個性をもう少し色濃く出せば、ヤングアダルト小説としてはユニークな存在となるであろう。
作者は漫画家。そのせいか、最初の短編などは漫画のネームっぽくてあれっと思う文章もなくはないが、1作ずつ書き慣れてきて、書き下ろしである4本めになると小説らしい文章になっている。
(1998年8月22日読了)