読書感想文


キテレツ古本漂流記
北原尚彦著
青弓社
1998年8月30日第1刷
定価1600円

 著者が古本屋で見つけたなんだか変な本を紹介したエッセイ集。
 横田順彌ほど研究家的でなく、と学会ほど変なところを徹底的に追及してるわけでもない。毒がなくて、非常にあっさりと読めた。物足りなくもないではないが、古本屋ででもないとお目にかかれない楽しい本が次々と紹介されていて、ほんわかした味がある。こういう味は現代では貴重だといえるかもしれない。
 紹介されている本では、中国映画のフィルムブック「地雷戦」、金日成翻案の「15少年漂流記」などを読んでみたくなった。
 なお、ここで紹介されている動燃発行のマンガ「未確人少女ミュウ」の絵を描いている七瀬カイという漫画家はたしか手塚治虫のアシスタント出身の甲斐謙二(字が違うかもしれない)という人のペンネームだったはずだ。誰か北原さんに教えてあげて下さい。
 ただ、これで1600円はちょっときついなあ。内容的には文庫書き下ろしの方がふさわしいような気がするんだけれど。この値段ならもっと情報量が欲しいところだ。

(1998年9月2日読了)


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