主人公はテレパスの女子高生。家庭教師として行った家の女の子は不登校。インターネットであるホームページにアクセスしたら、学校に行かなくていいといわれてそのとおりにしているのだ。そのホームページにアクセスすると強い念波が送られてきて主人公はダメージを受けてしまう。その念波に憎悪を感じた彼女は恋人とともに一路京都へ。そこにはホームページの主である夭折した天才少年画家の記念館がある。不登校の女の子はその念波の力で京都まで連れ去られて行ったのだ。主人公と恋人がその記念館で見たものは……。
テレパス、マッドサイエンティストなどなど道具立てはSFだが、なぜインターネットを通じて念波が送られることが可能だったのか、とかマッドサイエンティストがしごく簡単に死者の脳を生かしておいて女の子に移植しようとするところとか、扱いはSFというよりはオカルト。
テレパスの少女の心の動きなどは割と書き込まれているけれどねえ。もう少し素材をていねいに扱ってほしいなあ。どうも全体に類型的で設定や展開も借り物くさいのはなんとかならないものか。
(1998年11月28日読了)