麓道学院の創設者の子孫、米良姫希は邪眼を持ち、常にサングラスでその目を隠している。霊能力を持つ鮎沢美酒、三輪谷奈絵とともに埋蔵神秘学部というクラブを作り、学院に埋蔵されているという「秘宝」を探している。それを阻止しようとするのが生徒会長の弥陀櫂人とそのとりまきたち。彼によるとそれは「秘宝」ではなく起こしてはならない精霊なのだ。中学部1年の阿星賢太郎が入部し、正式な部活動が認められた姫希たち。彼女たちが探り出した「秘宝」の正体とは……。
キャラクター全てに何らかの影がありながら、物語はコメディ・タッチで進んでいく。そのギャップが私にはちょっと辛いなあ。呼び起こした精霊の描写やその霊を払うシーンなんかはなかなか迫力があってよいのだけれど。どうも全体に説教臭いところがあるのも私には気になるところ。キャラクターに感情移入できるかどうかが本書を楽しめるかどうかのポイントかもしれない。
(1999年1月9日読了)