元気で気だてのよい蒼が嫁いだ奈月家の人々は誰もがどこか風変わり。しかし、全てのことに体当たりで向かっていく蒼に家族は少しずつ打ち解けた様子をみせていく。ただ、夫の祖母、宮を除いては……。家人は宮には絶対服従。実は、奈月家は不死の一族なのであった。
特異な一族の中に飛び込んで奮闘する蒼のキャラクターが光る。絶対に理解し合えないということを前提に、その垣根を持ち前の明るさとガッツで切り開いていく。
奈月家の人々の持つ陰影をていねいに書き込み、独特の雰囲気をもたらしている。蒼のキャラクターとの対比でそれが生きてくる。
久々にバイオレンスのない菊地作品を読んだのだが、作者の持ち味である少し苦いユーモアがうまく生かされていて、楽しく読めた。菊地バイオレンスが苦手な人にもお薦めできる。
(1999年1月31日読了)