読書感想文


コレクション こどもと大相撲
景山忠弘著
京都書院アーツコレクション
1998年3月15日第1刷
定価1000円

 著者は、相撲に関するものならおもちゃからポスターからありとあらゆるものを収集している、その世界ではよく知られたコレクターである。本書は江戸時代から昭和まで、子どものおもちゃ、雑誌の付録など子どもたちが楽しんだ相撲アイテムをカラー写真で多数収録したヴィジュアル文庫。
 相撲が子どもたちを夢中にさせ、また生活の一部であった時代があったということを本書に収録された膨大な資料は示している。おもちゃ絵、めんこ、日光写真、双六、うちわ、人形、カルタ、羽子板、凧、うつし絵、ぬり絵、こま、トントン相撲、ブロマイド、絵本、雑誌、漫画……。
 こういうものを見ていると、確かに今どれだけ相撲が子どもの世界から離れていってしまっているかということに気がつかされる。むろん現在は娯楽が多様化していて、相撲もその中の一つにしか過ぎない。しかしそれ以上に相撲がその魅力を失っているのは事実であろう。そんな寂しさもまた感じてしまったのである。

(1999年3月22日読了)


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