著者の怪獣への偏愛を満載した、同好の士がうんそうそうとうなずいて、俺もそうだ私もそうですあんたもですかお互い好きですなあ、うふ、うふ、うふふ、というような本。
著者が、永野のりこ、岩佐陽一、開田裕治という歴戦の強者とそれぞれ対談しているのを読んでいるだけでげっぷが出そうだ。かくいう私の知人友人にも同様な話のできそうな人はいっぱいいる。
それはそうと、本書を読んでたら、大伴昌司は36才で、金城哲夫は37才でそれぞれ亡くなっておられるのだね。ひえええ、今の私と年がかわらんではないか。この年になるまで私は何をしてきたのだ。
ええと、それから、私はやはり「怪獣図鑑」を読んで育ったのだなあと、つくづく思った。童話を読んでいて不思議な力をもった主人公がなんでも解決してしまうと、なんでそんな力をもっているのか、ちゃんと図解で示せなどと思ってしまう。「魔法の怪光線を出すミミちゃん指」「なんでも解決できる知能指数500のトントンマン脳」とかいうふうに。
というような具合に、自分の体にひそむ怪獣者の血が沸々とたぎってくる、そういう本だ。こういう本は体に毒です、いやまったく。
(1999年6月6日読了)