新シリーズの開幕。2102年の東京は、首都機能を仙台に移し、特別な自治都市となっている。そこには、宇宙からもたらされたものと思われる変種の動物〈害獣〉が出現し住民を困らせている。主人公グループは、これら〈害獣〉を駆除する特殊駆逐業社ゆうざん事務所の面々。社長のすず、剣の達人千寿、天才発明家美貴、そして主人公の浩平。これに、駆逐現場で見つけた猫耳少女寧々が加わる。
ストーリーは東京を闊歩する巨大亀の駆逐を軸に進み、寧々の失われた記憶や仙台政府から派遣されたとおぼしき駆逐業者の参入、そして〈害獣〉を操る謎の美人姉妹などの鍵をあちらこちらにばらまき、次巻につなげていく。
キャラクターのたて方がうまい。それぞれの個性をうまくデフォルメしてわかりやすくしているが、そのキャラクターに頼ることなくさまざまなアイデアを盛り込んで一気に読ませる。ストーリーの軸がしっかりしているので、いかにキャラクターがマンガ風にデフォルメされていてもそれほど気にならないのだ。
シリアスな部分をきちっと押さえているからコミカルな部分が引き立つ。その呼吸を心得ているということだろう。次巻以降、スケールの大きなストーリーになることが期待される。
(1999年7月23日読了)