戦後のプロ野球を記者としてつぶさに見てきた著者が、自分が取材してきた選手たちのエピソードを愛情を込めて綴る。選手の人間像をプレー以外の、雑談などをメモしたものを中心に描き出している。その点、近藤唯之や海老沢泰久と違いドラマ性には欠ける。 野球ファンなら誰でも知っている選手の比較的よく知られたエピソードが多く、読んでいて驚かされたり迫ってくるものがもう一つないのが残念。プロ野球に興味を持ち始めたばかりという人には格好の入門書となるだろうが。
(1999年8月29日読了)