モテない男のためのマニュアル本、とだけはいえない面白さがある。
モテないということは「キモチワルイ」と思われているということだと著者は説く。では、「キモチワルイ」がどういうことかということは、著者は読者に自分で考えさせる。そして、考えるための材料を提示する。これは優れた対人関係の指南書であり、マニュアル本の体裁はとっているが、実は鋭い人間分析の書でもある。
だから、女性にモテたい男性だけでなく、男女を問わず人に好かれたいと思っている人にはいろいろと役に立つだろう。それだけではなく、人間観察が趣味という人にも参考になるだろう。
本を飾る青木光恵の漫画が核心を突いていて、これも面白い。実は彼女の漫画に惹かれて買ったのだが、意外な掘り出し物であった。
(1999年9月26日読了)