「週刊プレイボーイ」連載中の時事笑談をまとめたもの。ここ2年のネタから厳選されたものがテーマ別に55本収録されている。あとがきによると、二人の口頭でのやりとりをライターが構成しているという。それなのに、間やテンポがうまく書き表されているのには感心する。漫才を書き起こしたものというのは、読んでもさっぱり面白くなかったりすることも多いだけに、これは驚き。
雑誌連載という、制約の比較的少ない場所でのおしゃべりであることがうまく働いていて、二人の個性が生きている。
本書の場合、時事問題そのものではなく、世相を示すキーワードを決めて、それをネタにふくらませているので、より漫才台本に近いものになっている。そこがネタを古びたものにさせていないように感じられた。
また、太田光が実はかなりのSFファンであることも本書のネタにはちょくちょくでてきている。なるほど、彼のボケ方に波長の合うものを感じるのはそこらへんなのかもしれないね。
(1999年12月9日読了)