ライターの徹底取材に萩本欽一が答える形の構成。欽ちゃんが嫌なことも割と容赦なくきいているところが、普通のタレント本とはちょっと違う。
欽ちゃん独特の人生論が語らる。それは「運」という言葉で表現されるものだ。「運」のない状態が続いていれば、次にやることは当たる、というのだ。新番組で起用するタレントにこれまで陽の当たらない人を持ってくると、その番組は成功する、というようなバランスの取り方が不思議だ。
インタビュアーが問答の間に自分の考えをちょくちょくとはさみこんでいるのも面白い。読者の視点と同じところから書かれていて、欽ちゃんの独特さを際立たせている。
天才と狂気は紙一重というが、一時代を築いたコメディアンの「あちら側」に行きかけている恐ろしさみたいなものを実感した。
(1999年12月24日読了)