読書感想文


捨て犬にご用心
サニーサイドアップガール 1
小林めぐみ著
富士見ファンタジア文庫
1999年12月25日第1刷
定価550円

 小さな町で、両親はいないが慈善家の老人に世話になっている明るい苦学生リンが主人公。学費を稼ぐためにいろいろなアルバイトをしているリンは、犬の散歩を2時間するというアルバイトを引き受ける。デュカというブス犬に手こずり、やっとの思いで返しにいったら、飼い主は転居してしまっていた。デュカを飼い主のもとに戻そうとするリンの前に、デュカを狙う謎の二人組が現れる。飼い主の家を解体しようとする現場では、呪いのせいで工事が中断するという噂が。一方リンの親友で理知的なジャニースは飼い主の素性を調べはじめる。
 物語の軸は呪いがかかっているという家の柱にあるように見せかけて、本当に呪いがかかっているかどうかとは関係ないところに話が進んでいき、ちょっと拍子抜け。ミステリ仕立てで謎解きもそれほど複雑ではない。女の子2人の活躍を楽しむ児童向け読み物という感じだ。この内容だと、ヤングアダルト文庫よりも「青い鳥文庫」や「フォア文庫」あたりで出した方がしっくりくるというように思う。

(2000年1月19日読了)


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