男子校に通う道明が、彼女を紹介してやると言われて待ち合わせた場所にやってきたのは、百目鬼太郎(どうめき・たろう)と名乗る男。手違いがあったようだが、この男、嵐を呼んだり気を操ったりと、ただ者ではない。人付き合いの方法を知らないらしく、友人になりたがっているようだが、そのためにとる行動には面食らうばかり……と、書くと、この設定でなにか面白い物語が展開されることを期待するのだが、実は、本書はその出会いと友人になるというそれだけでまるまる1冊使ってしまっている。
特に大きな事件が起こってそれを解決するとか、これだというヤマがない。設定紹介だけで1冊書けるというのは一種の才能かもしれないけれど、これだけでは面白いかつまらないのか判断がつかないではないか。
(2000年1月30日読了)