読書感想文


魔剣街
魔界都市ブルース
菊地秀行著
祥伝社 ノンノベル
2000年2月20日第1刷
定価800円

 マン・サーチャー秋せつらは、失踪した青年、紫津真を探してほしいという依頼を受ける。魔界都市新宿にはジャキと名乗る男が現れ、次々と殺戮を行う。失踪したはずの紫津真はシズマと名乗り、不思議な形の甲冑を身につけ、南郷という剣術師を倒していた。せつらの妖糸をも断つジャキの刃。ジャキとシズマは実は五万年の太古から転生を繰り返し、彼等を裏切り滅ぼした者の転生した人間に復讐の刃を向けていたのであった。果てしない復讐劇の結末は……。
 最近チャンバラづいている作者は、今度は魔界都市新宿を舞台に剣劇の面白さを追求する。シズマの清廉な人柄は、これも最近の作者が好んで出すキャラクターといえる。超古代の歴史は断片的に出てくるだけで小道具の域を脱していないことや、ジャキのキャラクターがパターンにはまり過ぎていてどぎついことなどから、シズマの存在感がちょっと薄いかなというとこらあたりが気にはなった。
 とはいえ、シリーズ中珍しい純愛路線であったり叙情性をかなり強調しているところなど、読後の余韻はこれまでのものと少し色合いが違うように思う。

(2000年2月13日読了)


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