舞台は地球の周りを回るスペースコロニーらしき”トルク”というところ。住民はすべて猫。たいていはヒューマノイド型のロボットを連れて歩いている。彼らは”地球儀”に死んだ猫の霊が旅立つと信じ、トルクを作った”天使”たちは”太陽儀”から来たと考えている。しかし、それに異を唱える”スカイウォーカー”幽(かすか)は、ロボットのクリスとともに”地球儀”に行こうとしている。
トルク世界最強の猫となった焔(ほむら)と、彼を追いかける猫の少女、楽(かぐら)は旅の途中で幽と出会う。焔を協力させたいと考える幽は焔を挑発する。
猫のみのスペースコロニーに人間文明が受け継がれているという設定が可愛らしい印象を与える。なぜ猫に知性がついていて文明を持っているのかなど、未解決な部分については次巻以降に種明かしがあるのだろうが、人間の文明をベースに独自の文化と世界観を築き上げた猫たちの描写や、猫ごとの個性の描き分けに工夫の跡が見られ、楽しめる。
SFのアイデアとしては特に目新しいというわけではないのだが、描き方によってリフレッシュさせることは可能だ。こういうリフレッシュの方法もあるのか、と思った。
(2000年2月22日読了)