読書感想文


世界のたね 真理を追いもとめる科学の物語
アイリック・ニュート著
猪苗代英徳訳
NHK出版
1999年10月25日第1刷
2000年3月10日第4刷
定価2000円

 青少年向けに科学誌を解りやすく説いた本。数式を使わずに理論や法則を説明するのはなかなか大変なことだと思うが、本書は平易な文章で無理なく古代ギリシャから現代までの科学の歩みを解説している。科学の入門書というだけではなく、ごった煮になってしまっている科学知識を整理するのにとても役にたつ。
 著者はノルウェーの作家で、こういった科学啓発書や教科書を数冊出していて、本書は本邦初紹介ということになる。
 私は子どもの頃「科学のあゆみ」という事典を飽くことなく読みふけったものだが、そういった原体験を呼び起こしてくれた。
 「科学」とは何か、「科学者」は何をどのように考えているか。そういうことを知るのに最適。中学校の理科あたりで副読本として採用するところはないだろうか。「科学」の面白さに目覚める生徒がきっと出てくるだろう。未知のものを解き明かそうとしてきた先人たちの営みを読んで胸がわくわくしない者がいるだろうか。

(2000年3月15日読了)


目次に戻る

ホームページに戻る