「キリスト教」とはどういうものであるかということを10のキーワード−−「エヴァンゲリオン」「イースター」「バイブル」「エクソドス」「トーラー」「アーメン」「テオトコス」「エクレシア」「ハルマゲドン」「ゴッド」−−の概念や歴史についてわかりやすく解説しながらその全体像を探る。「謎」というほど大げさなものではなく、特定の教派にかたよらないキリスト教入門書である。
キリスト教を哲学面からとらえ、神話的な部分に関しても哲学的な隠喩として合理的に示している。本書を読むと、キリスト教がユダヤ教に普遍性を持たせたものだということと、そのためにパウロ以降の使徒や神学者たちが時代に応じて聖書の解釈を変えていった経緯がよくわかる。最近では「フェミニズム神学」も出てきているそうで、なかなか興味深い。
著者は「信じる」ことよりも「理解する」ことを重んじるよう説き、イエスの言葉を「教え」ではなく「問いかけ」であるとする。その「問いかけ」が21世紀にもキリスト教哲学を指針として生きていく鍵となるのだという。
キリスト起用を哲学として考えるのには有用な入門書といえるだろう。
(2000年5月4日読了)