気になるアイツが死んだ!
十六歳の相沢由佳は祖母のいる北海道に転居することになっていた。ペットショップでハムスターにテレパシーで話しかけられる。なんと、そのハムスターは、死んだはずの気になるアイツ、七瀬徹也の意識を持っているのだ。麻薬密売事件に巻き込まれた由佳と彼女の母を助けるためにハムスターの徹也は大活躍。
小説版「タキシード銀」(松浦聡彦/少年サンデーコミックス)というような設定。ハムスターの脳に人間の意識が受け入れられるほどの容量はあるかとか、どうしてハムスターに意識を移すほどの生への執着が徹也にあったのかが説明不足であるとか、麻薬密売事件に主人公が巻き込まれるの過程はやや強引ではないのかと、つっこみ始めたらキリがない。
こういうスタイルの小説でそういうつっこみをするというのは、野暮というものなのだろう。女の子とハムスターの探偵コンビというシチュエーションを気楽に楽しむことができればそれでいいのかもしれない。
(2000年5月4日読了)