読書感想文


回転翼の天使 ジュエルボックス・ナビゲイター
小川一水著
ハルキ文庫
2000年9月18日第1刷
定価720円

 空に憧れ、大手航空会社の客室乗務員試験を受けた夏川伊吹であったが、残念ながら採用されず、かろうじて零細ヘリコプター会社「ジュエルボックス・ナビゲイター」にアルバイトとして勤めることになる。社員2名にヘリ1台のその会社で雑用に追われ、嫌でたまらなかった伊吹だが、人命救助の場面に出会うことで、仕事に誇りを持つようになる。ところが、鉄砲水から村民を避難させたあと、社長の神領総一郎はなんてライバル大手航空会社のヘリコプター部門に移ってしまう。総一郎の真意は? そして、「ジュエルボックス・ナビゲイター」社の運命は?
 空を飛びたい女性主人公がスチュワーデスになれなかった……とくれば、夏見正隆なら自衛隊に入隊してしまうところ。作者はレスキュー会社に入社させた。いずれも作者の持つ願望の違いから来るものだろう。基本的には少年マンガでよく見かける熱血根性成長物語。
 レスキュー場面などは手に汗を握る展開で面白い。しかし、全体に予定調和的なストーリー展開で、もう少し意外性がほしいところである。少年漫画誌で本書を原作にしたマンガを連載すると面白いかもしれない。

(2000年9月27日読了)


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