著者のプロ野球監督論は既に何冊も出ているが、たいていは監督列伝という感じのものである。しかし、本書はテーマ別にエピソードを配列するというちょっと珍しい形になっている。
それは、監督とオーナーの関係、監督の戦略、監督と選手の人間関係、ダグアウトでの監督の動き、弱いチームを建て直した監督たちの手腕、というところである。
むろん、著者は人間ドラマとしてのプロ野球をドラマチックに書くタイプのライターなので、テーマ別であっても最後には監督たちをめぐる人間の心の動きがメインになるわけだけれど。
本書を読んで一番強く感じることは、著者が監督としての長嶋を全く評価していないところ。プロ野球草創期の監督たちからも取材を重ね、野球を長く見続けている著者にここまで書かれてしまうとは、やはり長嶋監督の采配にはおおいに問題ありということなのだろう。
これまで著者が色々なところで書いてきた内容と重複するエピソードも多いが、またまた近藤節を楽しむことができた。
(2000年12月13日読了)