「オール讀物」に連載されていたイラストエッセイの第7弾。
1996年12月〜1998年11月の2年間に起こった時事ネタを著者独特のタッチで綴る。時期的にはあの小渕、梶山、小泉の3人が争った自民党総裁選の頃である。田中真紀子現外相の「凡人・軍人・変人」発言をさしてその的確な表現センスを高く評価し、そのセンスの良さを立証してみせる。また、ニュースキャスターとしての久米宏と筑紫哲也を対比し、その違いを見事に読者に提示してみせる。
4年たった現在、改めて読み直してみたら、それが単なる時評に終わらず、現在の姿をも見通せるほどの本質的な問題点を的確に衝いていることがわかる。風刺とは、批評とは、こうでなければならないと著者に教えられる。
本の整理をしている最中にふと手に取ってぱらぱらとめくったら、一気に読んでしまった。2年前の本でも、面白いものは面白いのですね。手書き文字の美しさも特筆すべきもので、ここらあたりのグラフィックのセンスもやはり著者ならではである。ところで、本巻の続きはまだ出ていないように思うのだが、雑誌の連載も終わったことだし、ちゃんと最後まで刊行してほしいものである。
(2001年4月28日読了)