霊感商法、新興宗教、自己啓発セミナー、占いなど、人々が騙される事例を具体的にあげ、そのからくりについて解説をし、科学的にものを見ることの必要性、そして、自分というものをしっかりと持つことの大切さを説く。
実用的な新書のシリーズとしてはテーマとしても内容としても適当であるとは思うが、これまでの著者の著作から特に踏み込んだ内容ではなく、いわばこれまで主張してきたことのダイジェスト版といった感じである。そういう意味では科学的視点の啓蒙書として最適かと思われる。
ただ、深く「人が騙される心理」について掘り下げて考えたい読者には少々物足りないだろう。私は著者の新たな研究成果も知りたかったのでその点では満足してはいないのだが、著者の本を初めて読む人にはお薦めではある。
（２００１年５月５日読了）
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