NHK教育テレビで放送された「人間講座」のテキストを再編集したもの。
落語という演芸が現代に持っている意味や、東京落語と上方落語の演目の違いから文化の違いを考察したりと、落語を通じていろいろな問題をとりあげ、楽しくわかりやすく説明している。
長年関西大学の講師として積んできた経験と、落語という文化への愛情のたまものと言っていいだろう。桂米朝の「上方落語ノート」とはまた違う形で落語の面白さや奥深さを伝えてくれる。落語を最近聞き始めた人にも落語が大好きな人にもお薦めできる現在進行型の落語案内書である。
(2001年6月7日読了)