読書感想文


電気システムとしての人体 からだから電気がでる不思議
久保田博南著
講談社ブルーバックス
2001年8月20日第1刷
定価820円

 心臓が動き続ける仕組み、肺が本人の意志とは関係なく呼吸をし続ける仕組み、脳の情報伝達の仕組み、筋肉が動く仕組みなど、人体の活動の鍵を握る電気システムについてわかりやすく解説したもの。細胞膜や細胞内液のイオン変化により電気が生じ、それが人体の活動に重要な働きをしているということがわかる。
 本書のそういった人体の電気システムを解明していく手順などは確かにわかりやすいが、人体をロボットになぞらえて生物と機械を比較し生物と生命の素晴らしさをうたいあげるのはこういった入門的な解説書としてはちょっと筆がすべり過ぎているように感じた。
 実は今回本書を読んだのは原稿がらみで人間が電気を送受するアンテナみたいな役割を果たすことが(可能性として)できるかどうかを知りたかったからだ。そういう意味ではちょっとあてが外れたけれど、それなりに参考にはなった。生物というのはどんなに下等な形状のものでも「生きている」というだけで驚異的なものなのであるなあ。

(2001年10月12日読了)


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