舞台芸術と一口にいっても、演劇、音楽、古典芸能など様々な分野がある。本書は、そういった舞台芸術に関わる仕事について、あらゆる種類のものを紹介し、その仕事内容の概略を記したものである。プロデューサー、脚本家、演出家、舞台監督、照明、音楽監督、効果、振り付け、美術、映像特殊効果、衣裳、メイクなど、様々な仕事が一つの舞台を作り上げていくということがわかる。舞台芸術が総合芸術だといわれる所以である。
さらに本書は、現場で仕事をする人々からその仕事のポイントをきき、実際の事例を提示する。これにより、読者は基本的な知識を得ることができる。そして最後に劇場そのもののあり方と今後の課題を示す。
私のように、これから舞台芸術について知ろうとしているずぶの素人とっては、本書のように基礎知識を簡潔に書いた本は実にありがたい。そして、本書を土台にして、今後様々な舞台芸術についての専門書を読むことができる。そういう意味では、これからも手元においてことあるごとに開き、知識を確実に自分のものにしていく必需品となるだろうと思う。
(2002年3月28日読了)